「小脳には、経絡のデーターによって肉体に形成された硬結のデーターが別にあると推定しています。肥田春充は、指先と毛根の硬結を除く全ての硬結のデーターが、頭を強打したときに欠落したのではないかと推定しています。」

「硬結のデーターが欠落すると、どういうことになるのですか」と町会長。

「筋肉の固い部分がなくなると、体がふにゃふにゃになり、直立して何かするのが難しくなるのではないかと推定しています。」

「なるほど。それで肥田春充は虚弱体質だったのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕の場合は、2歳のときの肺炎のため、筋肉や内臓、脳などが固まってしまっていたので、肥田式では、どうにもなりませんでした。」

「全身に硬結があると、肥田式で体を緩めるのが難しいのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕の場合は、最初から腹式呼吸で肥田式をやったので、体が緩むという感覚はあったのですが、すぐ元に戻ってしまうので、肥田式ではどうにもならないと思いました。」

「なるほど。それで、肥田式ではなく、腎の治療をすることになったのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。腎の治療を中心に経絡的治療で若返る方法を研究して来たのですが、40歳のころ、父が胃癌で亡くなったため、その頃から、老化が加速し始めました。」

「若返りの研究をしていたのに、老化が加速したのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。父が亡くなったため、お寺の役員をすることになったのですが、50歳の頃、小学のときの同級生が役員になった時、『どう見ても、同級生とは思えない』と他の役員から言われたのを覚えています。」

「それでも、若返りの研究はやめなかったのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕と同じことを試みた天才的な鍼灸師は、全員、若死しているので、死なないだけラッキーだと思っていました。しかし、父の死と母の老化が、僕の老化を加速させていたことには気がつきませんでした。」

「親子の経絡の連動性について気がついたのは、いつ頃なのですか」と町会長。

「体力の低下に気がついて、運動のために60歳の頃プレハブの卓球場を造りました。始めは気がつかなかったのですが、僕の動体視力が急激に上がるようになり、卓球が上達すると、練習をしない息子も卓球が同じように上達しているので気がつきました。」

「なるほど。親子の経絡の連動性に気がついたのは、晩年になってからなのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。その頃から、やっと経絡というものが分かり始めました。」

「確かに、親子の経絡の連動性が分からなければ、経絡治療をしているのに、なぜ経絡が老化の方向に進むのかということは理解できないのでしょうね」と町会長。

「おっしゃる通りです。親子の経絡の連動性が分かる前に、陽好きの母が、何百冊という強い陰の本を残して亡くなったのもラッキーでした。」

「その本を処分したら、若返り始めたので、陰の本と老化の関係が分かったということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。父と母が亡くなったため、僕の老化を経絡的に加速させるのは、父と母が残した陰の物と二人の子供だけになったのです。」

「子供も経絡の連動性で親に影響を与えるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、親の方は経絡によって体が固くなっているので、子供からの影響は小さく、親から子に対する影響ほどではありません。」

「それでは、子供が病気をするのは、親が経絡的な問題を起こすからですか」と町会長。

「そういうケースが多いと思います。僕は毎日3時間以上経絡治療をしていたので、子供が医者にかかるということはありませんでした。」

「なるほど。子供が病気をするのは、親の責任だということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。親が陰の物を身に着け、陰の物を食べ、陰の家に住めば、子供が病気になるのはあたりまえです。」

「親子の経絡の連動性が分かると、経絡が理解できるようになるのですか」と町会長。

「経絡は、それほど簡単ではありません。人間は、陰陽とか経絡が分からないように進化しているのです。」

「経絡が理解できる人間は先史時代にいたかもしれないが、そういう種族は増えすぎて、インフルエンザウイルスで壊滅したということですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。両親からの経絡的な影響がなくなり、子供からの影響は小さいため、母の残した500冊を超える陰の本を破って、焼却したら、大きな変化が体に起こりました。」

「なるほど。それで、陰の本と老化の関係が分かったのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。それで、蔵書をチェックして、陰の本は全て破って焼却しました。その頃から動体視力が急激に上がるようになり、国際的に活躍する卓球の選手の動画を見ても、ボールがはっきり見えるようになりました。息子にも同じことが起こっていました。」

「なるほど。人間というのは、そういう特殊な状況が起こらなければ、経絡の連動性に気がつかないものなのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。30年近く経絡治療をし、老化が加速したのに、親子の経絡の連動性に気がつかなかったのです。現生人類は、哺乳類の発生時点からの経絡の連鎖で、脳が本当にダメになってしまっていると気がついた瞬間でした。」

「しかし、大脳は進化して、大きくなっていますが」と町会長。

2020/3/18

※『肥田春充は、指先と毛根の硬結を除く全ての硬結のデーターが、頭を強打したときに欠落した』と2020年の時点では考えていたが、現在は『肥田春充は、指先と毛根と「骨」の硬結を除く全ての硬結のデーターが、頭を強打したときに欠落した』と考えている。骨の硬結によって神経系が圧迫されていたため内臓の機能が低く、筋肉も弱かったが、肥田式で骨が緩むと、神経系が開放されるので、内臓の機能も上がり、筋力もましたのだろう。

<イノシシ後記9>
イノシシが侵入してから2,3日後に、時間があったので、侵入経路を調べてみた。イノシシは卓球場の西に設置した孟宗竹の更に西側にある壊れかけた温室の中を荒らしていた。温室を抜けると樫の木の防風林は目と鼻の先だ。温室を抜けたところから、西側の通路に侵入したのだ。茶室と防風林の間の通路には樫の木の落ち葉が積もっているが、そこが思い切り荒らされていた。地面と落ち葉の間にミミズや昆虫の幼虫がいるのだろう。

雨が降ると母イノシシと来ていたところなので、今回も雨が降ったため来たかったということだ。孟宗竹を切る季節も終わりなので、西側通路の対策はしないことにした。

気になっているのは、成長して立派な牙を持つようになった雄のイノシシだ。正月のときも、今回もゼーゼーという激しい息遣いは聞こえなかった。栗林の北西の角に、雄のイノシシがつけた跡が1本だけあるが、他には見当たらない。今年の寒さで死んだのかも知れない。死ねば共食いされてしまうようだ。

2023/3/1